shohin2011
アルベルト Part1 楽園を求めて
2011/7/1
おませな子どもがいました。
名前はアルベルト。
彼はむなしさを感じていました。
希望や努力が
最後には残酷な結末を迎えることに。
そんなある日。
彼はスーパースターに出会いました。
ステンドグラスの光が
パイプオルガンの響きが
黒い服を着た人の紡ぐ物語が
彼に楽園を夢見させました。
アルベルトは幸せでした。
時は流れて。
彼は12歳になりました。
そして彼の楽園は無残に砕け散りました。
地球が回るのです。
太陽が回るのではありません。
エデンの園もアダムとイブも信じられませんでした。
悲しくて
悲しくて
彼はすべてを疑うようになりました。
彼があんなにも信じていた楽園は
もうどこにもなかったからです。
なぜあんな嘘をつくの?
ぼくをだましてどうするの?
悲しくて
悲しくて
彼は舌を出して、にっこり笑いました。
べーだ。嘘つき。
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小品No.203
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2011/7/1 in my Room
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