その人は言った『世界を癒すのだ』

2011/6/29

たとえば「雑草」のように 名も知れぬ存在のまま 生きて、死んでいくのが 人の正しい生き方だと、おっしゃるのでしょうか それ以外の生き方は 「逸脱」だと、おっしゃるのでしょうか 老子が孔子に言った台詞を思い出します。 『子の驕気と多欲と淫志とを去れ』 政治家（政治）、せんせ。 企業家（経済）、しゃちょさん。 芸術家（文化）。ししょう。 いわゆる…力ある人。 力ある人はみな「逸脱」なのでしょうか 力ある人の下で、大多数を占める、 下っ端だの、使いっ走りだのと言われる 力なき「大衆」が、 人の正しい生き方だとおっしゃるのでしょうか では、『世界を癒すのだ』、 と声をあげるのは、「逸脱」なのでしょうか ものも言わず、ＰＣもさわらず、 沈黙の「大衆」が、人の正しい生き方で、 力ある人は、力ある人になろうとする人は 「逸脱」なのでしょうか あなたは、 『さらわれた人は、さらわれたままにせよ』 『悲しむ人は、悲しむままにせよ』 と、おっしゃるのでしょうか 「逸脱」した、 力ある人が、力ある人になろうとする人が、 めざすべき到着点は、どこなのでしょうか 名声におぼれず、 地位におぼれず、 欲におぼれず、 政治家の善なるものは全人類の幸福という 企業家の善なるものは全人類の幸福という 芸術家の善なるものは全人類の幸福という ああ、ああ、それは空々しく響きます。 けれど… 沈黙の「大衆」になれない人たちは やはり、こう叫ぶのかもしれません。 『世界を癒すのだ』 夢見る人たちの現在進行形 -- 小品No.200 ある人との電気仕掛け遭遇がきっかけで。 「Heal the World / Michael Jackson」

2008/5/30 高知にて