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shohin2011

ノート (最後の吉本隆明/勢古浩爾)

2011/6/24

放射能?
牛の世話をしなくちゃ牛が死ぬんだ。
病気になったらどうするって?
しらねえよ。わかんねえよ。
あんた助けてくれるのか?

『原発廃止法案』をどう思いますか?
おかみのやることは
俺なんかじゃどうにもなんねえよ。
あんたそんなこと聞いてどうすんだ?

逃げる?
俺は母ちゃんと、40年間
ここで暮らしてきたんだ。
ここが俺の家だ。俺の故郷だ。
どこにも行きたくなんかねえ。

「臨時ニュースです。
 今国会で『原発廃止法案』は…」

「繰り返し申し上げます。
 今国会で『原発廃止法案』は…」

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小品No.196


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@社会や政治的状況がどうであろうとも、
さしあたって「わたし」が現に生活し、
明日も生活するということだけが重要なので、
情況が直接にあるいは間接に「わたし」の生活に
影響をおよぼしていようといまいと、
それをかんがえる必要もないし、
かんがえたとてどうなるものでもないという前提にたてば、
情況についてかんがえること自体が意味がないのである。
これが、かんがえられるかぎり
大衆が存在しているあるがままの原像である。
(最後の吉本隆明/勢子浩爾P265)

●支配者に振り回される存在。 数十年前の文章だが今も変わらない。
震災で政府に振り回される『大衆』。

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A生涯のうちに、
じぶんの職場と家をつなぐ生活圏を
離れることもできないし、
離れようともしないで、
どんな支配にたいしても無関心に無自覚に
ゆれるように生活し、死ぬ
というところに、
大衆の「ナショナリズム」の核があるとすれば、
これこそが、
どのような政治人よりも重たく存在しているものとして
思想化するに価する。ここに「自立」主義の基盤がある。
(最後の吉本隆明/勢子浩爾P263)

●国民(大衆)主権宣言ですね。
いまだ政府に振り回される存在ですが。
テクノロジーが助けになるか?
吉本さんの『ハイ・イメージ論』また読みたくなってきた。

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B世界はすべて
ひとりの太郎のためにある
世界はすべて
ひとりの花子のためにある
(最後の吉本隆明/勢子浩爾P272)

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C「大衆」がこの社会の主人公だという理念が、
どんな条件のもとで成立するのか。
このことが重要であり、今後の課題になる。
(最後の吉本隆明/勢子浩爾P279)

●震災から考えると
今の日本の政治システムでは
「国民(大衆)」が主人公とは言えない。
政府と企業幹部が主人公。
では、どんなシステムがいいのか?
天才かも〜んッ!

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