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shohin2011

ノート (最後の吉本隆明/勢古浩爾)

2011/6/23

ぼくは詩人なんかじゃない。(もちろん)
きれいなお菓子に憧れている子供、というだけだ。
そのお菓子ちょうだいよ。

会社行って
結婚して
家買って
子ども育てて

ということにはならなかった。
ある事件が始まり。
そう、もちろん何にでも始まりはある
それ以来
それはぼくの頭に住みついている
放り出すのも卑怯な気がする。
正直に言えば
何度か放り出したんだけど。
まあ、結局はだめだった。

しょうがないさ。
ぼくは今のぼくのまま、やっていくしかない。

大切なのは、ぼくがその事件から何を学んだか
ということ。

ぼくが何を目指して生きて死ぬのかということ。
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■文学・芸術とは
文学・芸術は
「自由で思い切りわがままなモチーフから出てくる」
ものであり
「でたらめであるほかはない」。

(最後の吉本隆明/勢古浩爾P164)

■価値ある生き方
もっとも価値ある生き方とはなにかと問われたとき、
日々繰返される生活過程の問題以外にはあまり関心をもたないで、
生まれて老いて死ぬという生き方がもっとも価値ある生き方だ、
というほかはありません。

(最後の吉本隆明/勢子浩爾P219)

■不可避
よりよき生を意志し、最善を尽くしながら、
それでもこのようになってしまったのなら、
人はその生を生きるほかはないし、それでいいのだ。

(最後の吉本隆明/勢子浩爾P225)

■体験とは
それがどんなに「極限」の体験であったとしても、
生の体験に意味などなく、
それをいかに受け止めたかということだけが重要だ。

(最後の吉本隆明/勢子浩爾P234)

■偉いとは
名だたる芸術家だから偉いと思わないほうがいい。
人を見る上でもっと大事なことを挙げるとすれば、
それはその人が何を志しているか、といった、
その人の生きることのモチーフがどこにあるか…

(最後の吉本隆明/勢子浩爾P242)

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小品No.195

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