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shohin2011

マッチ売り

2011/6/15

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夕暮れの橋を渡ると
マッチ売りの少女
ぼくはバラの花を渡す

彼女はマッチを擦る
夕闇に黄金色の光がひろがる
ぼくは暖かな夢に包まれる

来る日も来る日も
ぼくは橋を渡って
バラの花を彼女に渡す

彼女はマッチを擦る
ぼくは幸せをもらう

ある日のこと
花屋は開いていなかった
ぼくは何も持たずに
橋を渡った
マッチ売りの少女は
ぼくを見つめる
ぼくには何もない

彼女はマッチを擦った
夕闇に
青い灰色の光がひろがった

すると
彼女の姿が
灰色の光に包まれて
見えなくなった

それからぼくは
彼女を見ても
彼女が誰だかわからない

今日もぼくは
橋を渡る
誰だかわからない
美しい人が
マッチを売っている

通り過ぎるぼくに
彼女は目もくれない

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