shohin2008 Three Times about him 2008/3/23 3度目の偶然なんてあるもんじゃないそうともさ 奴の店に電話をした夜 思いがけない言葉 「マスターは・・・昨日・・・昨日の夜・・・亡くなりました」 おいおい、勘弁してくれよ ヘビーすぎるぜ 1度目は、別れ話の翌日 2度目は、婚約した翌日 そして3度目が * 「彼女は沖縄の出身なんだ」「へー、で、隣りの若いお嬢さんは・・・彼女の?」 「そう、娘だよ」 「そっか、マスターの息子さんにお似合いかもよ」 「ばっか、何言ってんだよ」 「わはは、冗談、冗談」 水槽の中には静かな熱帯魚 隅の椅子には落ち着き払ったクロネコのニャロ カウンターにハートランド 「一杯、飲んでよ、マスター」 「お、サンキュー」 これで奴も落ち着くのだろう 平和な日々とやらが訪れるのだろう そう思っていた * 電話が細い声を届ける「お弔いに、線香をあげていただくのは、大歓迎ですから」 大歓迎・・・ね 遠いよ、そこは きっと、行ける時には、店は無くなっているだろう 未亡人と娘さんも、いなくなっているのだろう 3度目の偶然なんていらねえよ マスター、相変わらず、ボクはものになってないよ グッバイ、マスター |